[函館教会週報付録<11>2/9号より] 外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会に参加してきました。
■外キ協とは
1980年代、指紋押捺の強制に反対する裁判闘争など、歴史的な経緯の中で日本に居住することになった在日韓国・朝鮮人の人権の問題に取り組むために日本の各地に外キ連という超教派の団体が生まれていきました。それら各地での運動をネットワークし、中央での国会対策等を担ってきたのが、外キ協=外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会でした。もともとは、主に在日韓国・朝鮮人の人権のために、在日大韓教会をはじめとするキリスト教会が教派を越えて共闘してきた団体でしたが、1990年代に入り、さまざまな国籍の移住者が増えてきたことから、すべての外国人が日本社会の中で地域住民として安心して暮らせるような「外国人住民基本法案」を立案しました。そして、この法律の制定を求めるキリスト教運動体へと衣替えし、同じ外キ協という略称で、NCC在日外国人の人権委員会等とも歩調を合わせて運動を続けています。ルーテル教会は、NCCには加盟してきたものの、永らくこの外キ協には参加しないままだったのですが昨年正式加盟の運びとなり、今回は社会委員会からということで、わたしも19年ぶり協議会に参加させていただくことになったのでした。
■今年の全国協議会
1/29-30に在日大韓名古屋教会で行われた今年の協議会では、川口カトリック教会を拠点としたベトナム人支援の活動、朝鮮人学校が高校無償化から排除されて苦境に立たされている問題、被災地である福島の移住女性を支援する取り組み、災害時における外国人支援の必要性などについてわかちあわれました。外キ協は、多様な外国人住民の生活や来歴をわかちあう「カラフルカフェ」の実施、「カラフルな仲間たち(マンガ冊子)」の発行などにも取り組んできており、外国人住民基本法については毎年おこなっている署名活動がありますから、ご賛同くださる方は、後日署名用紙が届きましたら、ご協力をお願いします。
■川崎市ふれあい館への差別ハガキの問題
昨年12月、川崎市は多文化・多民族共生社会をめざすため、他市に先駆けて、罰則を伴うヘイトスピーチ・ヘイトクライム禁止条例を設けました。ところが今年に入り、その川崎市のふれあい館という施設に、「在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう」など書かれた匿名の脅迫ハガキが届いたのです。同様のハガキは、「ふれあい館を爆破する」などとエスカレートして市役所の担当者宛にも送付されるところとなりました。川崎市は「決してゆるされない」と毅然としたコメントを発表しましたが、残念ながらヘイトスピーチ解消法を制定したはずの国は、沈黙を守ったままで動こうとはしません。外キ協は、こうした事案にも、キリスト教各派に情報提供して共同の取り組みを呼びかけつつ、市や国に申し入れを行うなどの活動も行っており、ルーテル教会の社会委員会も呼びかけに応え共同声明に賛同しています。[コイズミ記]