ステンドグラスを寄贈していただきました しかもたくさん!

函館ルーテル教会週報付録 先行配信 2020.3.29 No.13 <17>

■ステンドグラス工房アスカ 山崎種之さん
松本ルーテル教会の会員で、工房アスカを主宰しておられる山崎種之さんから、ステンドグラスの寄贈がありました。山崎さんは、ステンドグラスマイスターの羽淵紅州氏に師事し、長野県の安曇野に工房を構えて、西洋伝統グリザイユ絵付け焼成の本格的なステンドグラスによって、学校や教会など窓のステンドグラスを数多く手掛けてこられたステンドグラス作家です。ルーテル学院大学のチャペルや、甲府教会、九州学院、三浦綾子記念文学館など、全国に作品が設置されています。

■寄贈の経緯
この度、知り合いを介して、ルターローズのステンドグラスをルーテル教会に、というお話しがありました。役員会で相談してありがたく函館教会で譲り受けることとなり、先月、直径50cmの見事なステンドグラスが送られてきました。ルターローズのステンドグラスは、ルーテル教会に設置されてこそ意義深いもの。それがわたしたちに教会にプレゼントされたのですから、なんとも有り難く、嬉しい思いでした。さっそく礼拝においでくださった方々にもメッセージを書いていただいて、山崎さんにお礼状をお送りしたところでした。山崎さんからも、すぐに「救い主をたたえます。みなさまのおことばありがとうございます。”ルターローズ”にこめられている内容を共にしっかり学びましょう。尊い主の御器、そして主の羊の群。皆様の上に祝福、平安をお祈りします。感謝」、とお返事のFAXが届きました。

■さらなるサプライズプレゼント
ところが、話はこれに終わらなかったのです。しばらくして安曇野からもうひとつの小包がとどいたのです。中から出てきたのは、「赤い靴の少女」の人形のステンドグラスと、5つの星のステンドグラスでした。付されていた山崎さんのメモには、次のようにありました。「ずいぶん前のことですが、三浦綾子記念文学館の建設委のお一人、後藤憲太郎氏、その夫人静子さんの紹介で、(旭川豊岡教会の)コンサートのイメージガール、赤い靴のカントリーガールを製作しました(モデルになった女の子は、横浜で小児結核になり、米国行きの船に乗船できず、孤児院にあずけられ病死。北海道にいた母親や野口雨情はそれをしらなかったようです)。三浦綾子先生、星野富弘先生のもとにも、この人形はとどいています。”日曜学校へ行きましょう”と、聖書をもって歩いています」。おそらく、函館にゆかりのある「赤い靴の少女」と、そして五稜郭をシンボライズする5つの星を、函館教会にふさわしいと選んでお送り下さったのではないか、と推察します。ありがたいことです。

■函館と童謡「赤い靴」
函館のベイエリアに、赤い靴の少女像と歌碑があります。野口雨情の「赤い靴」の詩作の背景については諸説あるようですが、よく知られているのは、この歌の主人公を「佐野きみ」とするものです。きみの母の岩崎かよは、明治初期の頃、未婚の母としてきみを育てていたが、北海道に渡って結婚をし、きみが3才の時に社会主義の理想を掲げる留寿都村の平民農場に入植します。しかし農場の生活は厳しく、病弱なきみを育てられないと判断。きみの養育をメソジスト教会の米国人宣教師、ヒュエット夫妻に託したのです。かよは、ヒュエットが娘を米国につれていったのだと信じていましたが、ヒュエットの帰国時に、きみが結核を患っていたため、米国に連れて行くことが出来ず、彼女は東京で鳥居坂教会の運営する孤児院にあずけられ、母に会うこともないまま9才で病死するのでした。社会主義詩人として活躍していた野口雨情は、札幌の新聞社に勤めていたときに、同僚であり親交のあった佐野きみの結婚相手の鈴木志郎やかよ自身から、宣教師に託してきた娘の話を聴き、これをもとにして「赤い靴」を書いた、というのです。きみが母親のかよからヒュエット師にあずけられた場所が函館だそうです。ですから、まさに童謡「赤い靴」の舞台となったのが、この函館の街だというのです。ベイエリアの赤い靴の少女像は、この母子の別れの地を記念して2009年に市民らの募金で設置されたものだそうです。山崎さんの「赤い靴のカントリーガール」は、その手に赤い聖書をかかえ、「日曜学校へ行きましょう」と歩いているわけですから、これは孤児院で生活し、鳥居坂教会の教会学校に通っていた頃の姿が描かれているといって良いと思います。

■ステンドグラスの設置
役員会で「ルターローズ」の設置について検討した結果、礼拝堂の左側の一番前の窓枠の最上部に、このルターローズを設置しようということになりました。この窓は、礼拝堂の南東に面しているため、ちょうど主日礼拝の礼拝時間である午前中に光が射し込むことになり、5色の光の中で礼拝に与ることが出来るようになります。また、設置経費次第ですが、礼拝堂の内側にスポットライトを設置すれば、夜間に道ゆく人たちにもルーテル教会の存在をアピールすることが出来るようになるでしょう。山崎種之さんのお気持ちに、心より感謝したいと思います。

■ルターローズの意味
ルターの紋章であり、後にルーテル教会のシンボルともなったルターローズの意味について、ルター自身の手紙から引用しておきます。
「これは私の神学の目印とも言うべきものなのです。第一は十字架です。それは、自然の色をした心臓の中に黒く描かれています。これによって私は自ら、十字架につけられた方を信じる信仰が私たちを救うことを思い起こしたいのです。なぜなら、人が心から信じるならば、義とされるからです。それが黒い十字架であるというのは、死のしるしであって、痛みを与えるべきだからです。しかし、心臓が自然の色をしているのは、本性がだめなのではないということです。十字架は殺すのではなく、生かすからです。義人は信仰によって、それも十字架につけられた方を信じる信仰によって生きるのです〔ローマ1・17〕。
 この心臓は白いバラのまん中にあります。信仰は喜びと慰めと平和を与えることを示すためです。それはこの世が与える平和や喜びとはちがいます。だからバラは赤くなく、白なのです。白は霊と天使の色だからです。このバラは空色の地の中にあります。霊と信仰とにおける喜びは来るべき天の喜びの始まりであり、今すでにその喜びの中にいれられており、希望によってとらえられてはいるが、まだ完全に明らかにされてはいないからです。その地のまわりに金色の輪があります。それは、そのような救いが天では永遠に続き、終わりがないということを示します。金は最高の、高価な金属だからです。私たちの愛する主キリストがあの世に至るまであなたの霊と共にあるように、アーメン。(『世界の思想家5ルター』平凡社「シュペングラーへの手紙」1530年7月8日より)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です